仕事の探し方で悩んでいるならエージェント

個人事業主のエンジニアがよく抱える問題に、仕事が思うように確保できないことが挙げられる。個人で営業をかけても、話すら聞いてもらえないことは少なくないのだ。社員時代は残業が当たり前だった人でも、個人事業主になると仕事が皆無になったという話は実際にある。
どんなに優れたスキルを持っていても、仕事を得られなければ意味がない。そうした場合、個人事業主が仕事を得るためにはエージェントを活用するのが一般的だ。エージェントとは、仕事の斡旋をする求人、転職サイトのことを指す。
エージェントは条件指定をして仕事を探せるのがメリットで、場合によってはキャリアコンサルタントに相談したり、スカウトを受けたりできる。仕事探しのプロが仲介してくれるため、一人で探すよりも格段に効率的だろう。また、条件交渉の代行サービスがあるエージェントであれば、自分の希望条件で仕事を獲得できる確率が高くなる。
そして、エージェントのマイページにはプロフィール設定があり、ここに自分の実績や資格、写真などを掲載できる。仕事を獲得するためのコツは、できるだけプロフィールを充実させることだ。エンジニアが高収入を得るには、自分を安売りしないことが鉄則であり、スキルと経験に見合った収入を得ることが自信をつける近道だろう。
実績を積み重ねていけば、企業側からスカウトを受ける可能性もある。自分から応募する場合と比べて、スカウトは好待遇が設定されていることが多い。スカウトを受けた場合は、キャリアコンサルタントを通さずに条件交渉をしても受け入れてもらえる確率が高くなる。

個人事業主になる際の開業届

エンジニアが個人事業主として仕事を始める際に、必要な手続きの一つが開業届の提出だ。正式には「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」といい、新たに事業を開始するときだけでなく、事業用の事務所や事業所の新設、増設、移転、廃止、または事業自体を廃止した際に必要となる。
事業開始などの事実があった日から、1月以内に税務署に持参するか、送付により提出しなければならない。提出する際の手数料は不要だが、郵送の場合は送料が必要だ。提出書類にマイナンバーを記載するため、税務署へ持参の場合は本人確認書類を提示、郵送の場合は写しを添付する。
また、開業届には職業を記入する欄があるため、「システムエンジニア」「ネットワークエンジニア」など、事業内容がわかりやすいように記載をしよう。屋号を記入し登録すれば、銀行口座の作成や領収書の受け取りが屋号名義で可能だ。
そして、開業届の提出には2つのメリットが存在する。1つ目が青色申告を選択することで、確定申告の際に最大65万円の青色申告特別控除が受けられるようになるのだ。複式簿記による記帳の手間は必要だが、白色申告でも帳簿の記入と保存が義務付けられているため、可能なら青色申告を選んで節税する方が良いだろう。
2つ目のメリットは、屋号名義の事業用銀行口座が開設できることだ。屋号入りの銀行口座があれば、プライベートで使用するお金と、事業用の収入や経費を分けて管理できるため、経理作業が効率的に行える。さらに、個人口座よりも取引先から信用されやすくなる点もメリットと言えるだろう。