独立して開業を志すエンジニアへのアドバイス

慢性的な人材不足に悩まされるIT業界では、比較的開業が容易だと言われており、独立して開業を目指すエンジニアは少なくない。開業の手続き自体は簡単で、税務署へ開業届けを出せば誰でも開業できる。
個人事業主として開業すれば、経費として計上できる範囲が広がり、自分に合った仕事を選んで好きな時間に作業できるのが魅力だ。会社との雇用関係が解消され、指揮命令系統に従う必要もなくなり、自由な生活を満喫できるだろう。だが、独立して開業すると会社の後ろ盾を失い、社会的信頼性をイチから築かなければならない。
社会的信頼を得るためには実績を積むことが不可欠だが、開業したてのエンジニアは実績が皆無だ。そのため、実績のない個人事業主に発注してくれる企業を探さなければならないが、このようなクライアントを見つけるのは困難と言える。
そこで、クラウドソーシングやエージェントを通して仕事をこなし、実績を重ねてクライアントに認めてもらうことから始めるしかない。複数の仕事をこなすうちにスキルを認められたら、個別に仕事を依頼される可能性もあるだろう。
クラウドソーシングやエージェントは、初心者でも取り入れやすい。しかし、単純作業の低単価の案件を引き受けているだけでは、実力を発揮する機会が少なく、なかなか個別の依頼を受けるまでには至らないだろう。そこで、仕事の紹介につながる人脈を築くことが必要だ。
IT業界の場合、同業者の会合に参加しなくても、ネット上のコミュニティに参入できれば同種の個人事業主と交流できる可能性が高い。エンジニアは、インターネットを駆使して仕事をすることが多いからだ。